あ、1本いいっすか?

Next Writer:Chijun

up-date: Sun, 18, Mar.


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2011/04/09

幼時のヨージは幼児

投稿者 福田快活   4/09/2011 0 コメント
「もう一度咬みつけよ、ヨウジ

なかなか挑発的なタイトルだ。手にとる読者にたいしてもそうだし、「咬みつけよ」って言われてる山本耀司にたいしても。誰目線だよ、あんた。ていう。

だから手にとる。買う。FASHION NEWSはそれなりに買うんだけど、今回のは惹句と表紙のヨージの写真がきまりすぎてた。哀愁をくゆらせてるような、煙草を喫むすがたが仙人というのでもない、どういうのか。超俗っぽいんだけど、まだ人間、恋しさと切なさと心強さと……てちがうか(笑)をかかえてる。

「老人」としかいいようのない。歳を重ねることのすごさと素敵さと悲しさと、「老いること」のすべてが一枚の写真からみえる。そういう歳のとりかたをしたヨージはすてきだ。彼のつくる服がそうなように。

まあ、特集のなかでヨージとアン・ドゥムルメステールが「電波じゃねえか☆\(゚ロ゚ )」な近寄りがたい会話してるけど。そこもふくめてwス・テ・キ

2011/03/21

カンナとカカシ(11)

投稿者 Chijun   3/21/2011 0 コメント
しかたなくカカシはひとりで歩きだした。だれもいなくなるときゅうにさびしくなって、とたんにカンナのことが頭に浮かんでくる。最後は13を押すのよ、ちいさなカンナはいっていた。けれどもう、33回のうちなんどエレベーターを乗り継いだのか分からない。もう、どうしていいか分からない。優しそうなおにいさんが答えてくれたケータイも、ふたり組のかたわれに取りあげられたままだ。



だれもいない廊下を、自分を元気づけるように、カカシはステップをふんで歩きだした。すると今度は、ちかくにだれもいないことが、ひどくカカシを安心させたんだ。きっと、ここのやりかたにも慣れてきていたんだね。まるで酔っぱらいのように、カカシは踊りながらすすんでいった。カカシがまわればかべもまわって、それでだんだんたのしくなって、ついには、あか、しろ、きいろの花火がまわりでくるくるはぜるようだ。まわればまわるほど、どんどんカカシはきもちよくなる。この花火がかたちになって手に持つことができたなら、ぼくはカンナをよろこばせるだろう。そんな夢みたいなおはなしも、きっとここでならできるにちがいない。ああひとりきりひとりきり、なんてきもちがいいのだろう。……



へとへとになるまでまわってようやくカカシがまわるのを止めると、ついさっきまでいたはずの白いちめんのつめたいきゅうくつな建物はどこかにいってしまって、そこはほんとうに気持のいい、ひろびろとしたスペース空間になっていたんだ。

みどりの芝生がいちめん、ちゃんとおなじ長さに刈りそろえられている。

あかしろきいろのお花がみわたすかぎり咲きほこっている。

見あげると天井にはぽっかりまるい穴があいていた。その穴は空にむかってはてしなくつづいていて、とおくなればなるほど穴はちいさく見えるようになって、ながいながい吹き抜けのかなたには、おおきな光のかたまりがさんさんとかがやいていたんだ。
カカシは、ひさしぶりに太陽を見た気がした。
太陽の光が舞い降りるきれいなお庭のまんなかに、きらきらとかがやく池があってね。カカシはさそわれるように池にむかって歩き出した。すると近づけば近づくほど池のむこう岸がとおくなり、ついには果てにみえないほどになってしまい、カカシが池の目の前にたどりつくころには、深い青がまるでおだやかな海のように広がっていたんだ。

とおく、なみひとつない水面のかなたにぽっこりちいさなボートが浮かんでいる。そのうえにはどうやら、男のひとと女のひとがふたりきりでのっかっているようだった。

2011/03/05

カンニング事件報道を日経が斬る

投稿者 じん   3/05/2011 0 コメント

http://allatanys.jp/A001/20110303.html

ここ数日京大のカンニング事件の報道が続いた。私は朝日しか新聞を読まないが連日一面トップである。内容は朝日らしく警察の捜査で用いられた科学技術を詳細に解説するもので、事件はその実例扱いである。

あらたにすを見れば、読売も連日この事件を一面で扱っているが、容疑者が特定されたことを報じる3月3日の朝刊一面トップ記事の見出しには、わざわざ「携帯は母が契約」とあり、脛かじりの浪人生というゴシップ臭を強調するこれもまた読売らしい扱いのようだ。

そんな中、あらたにすのコラムで、その日の朝刊について一言語る「編集局から」に掲載された日経のコメントが良い。

携帯電話を使った大学入試のカンニング問題は、夜になって仙台市在住の男子受験生の関与が浮上 しましたが、特異な「手口を除けば重大事件とはいえず、社会面で展開しました。

その通り。

個人的には事件発覚時の記事で、ペンやメガネに仕込んだ小型カメラを使用した可能性を示唆する探偵事務所のコメントを掲載し、大量の問題を共有するには写真よりも動画を撮影する方が効率的と、ガジェット談義に花を咲かせる朝日新聞が好き。カガク・ブンカの朝日バンザイ!!

2011/02/28

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)でOPP(おっぱっぴー)

投稿者 福田快活   2/28/2011 0 コメント
家にテレビもなく、最近はネットもあんましない「ひとりガラパゴス」なんだけど、しばらく前から「TPP」ってもんがあるらしい、て話は聞いてた。いまいち何なんだかわからずに流してたんだけど、どうもvideonews.comを見てたらヤバイってかきなくさーい話ってことがわかったw

512回と515回がTPPの話なんだけど、推進したい人のポイントとしては

・アジア市場から日本が取り残されないために参加する
・保護されて老朽化してる日本の農業のショック療法として導入する

みたい。でもそれは

・TPP参加国のGDPの91%は日本とアメリカなので、アジア市場は関係ない実質2国間。
・日本の農業に問題はあるけど、TPPでどう改善されるのか不明。てかこれとTPPとは別の話w

て話で、輸出を2014年までに倍増したいアメリカが日本市場への輸出を増やしたい。だからアメちゃんは進めたい。アメちゃんの利益は明確だよね。日本の利益は?よくわかんねーーーwwwって状況で、んー、大店舗規制法とか牛肉オレンジでむかし聞いた話だなー。あのときは貿易摩擦の解消みたいな文脈で日本に利益?しようがなさ?もあったのかもしれないけど、今回はどうなんだろう?なさそうだなーwただの気ぃ弱くて頭の悪いやつが、おまえもこっち来いよーって言われて、ちゃんと言えないし騙されて追いてってるだけ、て感じか。あほだねーww

いまのタイミングでTPPに日本が参加するなら、HONKIで海外に移住を考えたほうがいいね、て思ったよ(^o^) ハイ、OPP(おっぱっぴー)

2011/02/15

カンナとカカシ(10)

投稿者 Chijun   2/15/2011 0 コメント
「これはこれは。いったい何事だというのです?」聞いたことのある声がする。
「あなたの不幸は、トイレがいっぱいで掃除もできない、掃除しているのよとこれほど音高く私のモップに叫ばせているのに、鈍感な男どもは次から次に……その、もぞもぞしながらやってきて、頭にあるのは自分の欲望のことばかり、わたしのことなど目にとめようともしない。お前らはなにを見ているのだ? わたしはここにいる。わたしはここにいるんだ!!などという、実存的な叫びに端を発したものではないのでしょう? わたしにはわかる。あなたの不幸はむしろ実存の後の問題、すなわち、男しかいないはずのこの場所に、女であるわたしがいる。どうしてだれもそんな簡単なことに気づいてくれないの? そう、わたしは女なのよ!!という、性差の問題から来ているのでしょう。おやおや、不思議そうな顔をしていますね。あなたはまだそのことに気づいていないかもしれない。しかし、あなたのなかにも、あなた自身には見えないことがたくさんあるものです。だいじょうぶ、それはみんなおなじこと、あなたは素敵な女性だ。くふっ。……ちょっ、人をそんな目で見てはいけない。それじゃあ美しい顔がだいなしだ。わたしはね、フェミニストでもなければ、ジェンダー論者でもない。しかし美しい女性というものに関心を持っている。『わたしは女に生まれたのではない、女になったのだ』 この言葉は知っているかい? もしその通りだとすれば、男子用お手洗いで何年も(きっと何年もこの労働から抜け出せずにいるのでしょう?)何年も掃除を続けているあなたは、すっかり男になってしまった、いやすくなくとも、女ではなくなってしまったとでもいうのだろうか? そんなことはないから安心なさい。あなたの苦悩は、じつに美しくあなたの女性をふちどっている」
そこで声は止んで靴の音がたかくひびいたけれど、どうもトイレの出口とは反対側、ということは、もといた便器にむかって歩いているようだ。そうして音がやむ。おばさんはどうしているのだろうか? しんとしずまって物音ひとつしない。
ふたたび男の人の声が、部屋に響く。
「だからといって、今の私にあなたを救うことができないのはお許し願いたい。わたしは、まだトイレを出るわけにはいかないのです。くふっ」



カカシはもうしばらく、トイレのなかでようすをうかがっていた。音のするけはいがないので、今だ、とドアを抜けようとしたとき、こんどはちいさな女の子の、まま、まーま、とよびかける声が聞こえてきたんだ。そのありかから、どうもさっきの男の人の入っているトイレにむかってうったえているらしい。いってん男の人はしずまりかえってなんの反応もないうちに、女の子は、どんどん、どんどん壁をたたきだし、いっそうつよく、まま、まーま、と声をはりあげた。すると、ごそっ、となにかかっさらう音がして、あとはどれだけまってもなにも起こらない。

そこでカカシはこっそり部屋をでた。ゆかはまだびっしょりだったけど、ひとはまるでいなかった。トイレのカギをひとつひとつたしかめてみる。どれも青い。みんないつの間に出ていってしまったのだろう?



カカシはそろりと壁をぬけた。



そこにふたごのような女子高生のすがたはもうなかった。

2011/02/06

不思議生き物

投稿者 じん   2/06/2011 0 コメント

街には不思議な生き物がうようよしている。

塀の上を歩く猫は二本足で、たまにアクロバットを決めるし、車にひかれてぺちゃんこになったような姿の平面ワニが道路を滑っていたりする。

僕が大好きなのは行列をなして飛んでいる鳩くらいの大きさの親子鳥。ちなみに子鳥は梅干くらいの小さな小さなやつらが4羽、親鳥のくちばしの中から隊列をなしてヒョロヒョロ飛び出してくる。

まだあまり長い間飛んではいられないから、落っこちそうになると後ろから親鳥がスピードをあげて、みんなくちばしにしまいこむ。しばらくするとまたひょろひょろちびたちが出てくる。

よく晴れた日に、坂道を転がり落ちてくるアルマジロに気を付けながら、親子鳥のユーモラスな散歩を眺めてるのが、最近の休日の過ごし方。

2011/01/30

妻殺し三部作

投稿者 福田快活   1/30/2011 0 コメント
まずはこうだ――2人は若かった。自分たちはほんとうに特別なカップルで、この世で2人に叶えられないことなんてない、そう思ってた。ステキな家に住んで、ステキな会社で旦那さまは働いて、彼女はステキに奥様をこなす。「わたしたちは理想のカップル!」この高揚は恋と同じで、「若い」の乳飲み子だ。老いらくの恋なんてのはない、恋をする、ということは若い、ていうことで、若さにはまたいつかおわりが来る。ふたりのおわりは速く来た。日常に埋もれて、アメリカに砂の数ほどいる郊外に家をかまえた家庭のひとつに過ぎなくなる。自分たちがみじめになる。だからパリにいこう。すべてを置き去りにしてパリに住もう。彼も会社を辞める。はずだったのが棚ぼたで仕事が楽しくなる。彼は勝手に「現在」に意味と活力を見いだして「パリになんかいかない」そう言い出す。彼女の妊娠がいい口実になる。ふたりで決めたはずの選択;パリにいく、から勝手に彼はぬけだして歩きはじめてる。楽しい仕事。子どもは大して関係ない。もう彼は選択してしまった。なにかを選択したら、ほかのすべては無力な可能性の残骸になる。じゃあ、彼女の選択は?ひとりでパリにいくの?彼女はバスタブでひとりで子どもを堕ろそうとする。失血死する。残された彼は手紙を発見する。

Dear Frank        フランク
whatever happens   何があっても
don't blame yourself 自分を責めないで
I love you         愛してるよ

つぎはこうだ――彼は連邦保安官、クソ激務。捜査がつめに入ると何日も家に帰れない。数日ぶりに帰ってきた。妻が見あたらない。子どももいない。呼ばう。部屋、部屋をチェックする。裏庭にでる。妻がいる。ずぶ濡れ。「子どもたちは?」「学校よ」「今日は土曜じゃないか」「わたしの学校じゃ土曜も授業なの」裏庭のすぐ先は湖になっている。浮かぶナニカを彼の眼が捉える。水にわけいり、子どもたちの亡骸をかかえる。妻を詰問する。殺してやると脅す。殺してと彼女は頼む。殺す。仕事にかまけて妻の異変を気にとめず、自分が妻を発狂させて子どもたちを殺させた、自分が妻を殺した、現実を受け入れられず、彼は孤島の精神病院に隔離されている。

さいごはこうだ――夢、無意識の世界に妻と侵入した彼は、そこにふたりの王国をつくる。完璧な世界。いつまでもここにいちゃダメだ、現実にもどろう、彼は言うけど彼女は拒否する。彼は彼女に「いまここにいる世界は夢なんだ。ほんものじゃないんだ。」という想を植えつける。そしてふたりで現実にもどってくる。彼女は「ここもまだ偽物の夢の世界」と思っていて、それを証明するために彼の目の前でホテルから飛び降りる。彼は妻をかかえたまま、現実と夢とを選択できずに生きている。

最初は『レボリューショナリー・ロード』つぎは『シャッター・アイランド』最後は『インセプション』。2008~2010年にレオナルド・ディカプリオが主演したキャラクターは一貫してて、発展してる。妻を死なせてしまうまで→妻を発狂させて殺した現実を受け入れられない→妻を死なせてしまった現実からどう先にすすむのか、何を選択すればいいのか。この三つはレオ様の「妻殺し三部作」だ。中年太りしたレオ様の、渋さ、かっこよさ満載でどれもいい映画だ。レオ様は泣き顔がまたいい。自責の念にかられて涙にまみれる姿が。

レオ様の次回作だけど、いま製作中なのは有名なFBI長官フーヴァーの役。彼は死ぬまで独身だった。妻殺しは三部作で完結だろう。ぢゃあ、その結末は?妻を殺したはてに人はどう生きるのか?生きないのか?異議もあるだろう『インセプション』の選択はこうだろう――夢か現実かなんてどうでもいい。残った子ども達のために生きていく。だからこそ子どもたちを殺された『シャッター・アイランド』では発狂するしかなかったのかもしれない。最後に現実を受けとめたような、意味不明なせりふを言ってはいるけれどw
 

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