6/12日青山ブックセンターにて,高橋源一郎と東浩紀の対談を聞いた。ニコ生の中継も入っていたので,それを通じて見た人もいるかも知れない。開始直後ニコ生の視聴者数を気にした東浩紀がスタッフに聞いたところ,二千数百人といっていた気がする。チケット代を払って会場まで来た人たちと,無料でインターネットを通じて聞く人たちの公平を心配した高橋源一郎は,来場者全員に,サイン入りの書き下ろし文章を用意してくれていた。
以前いくつかの対談がつまらなかったとこのブログに書いたことがあったが,二人ともおちゃらけつつ軽いノリで入った前半,ほとんど高橋源一郎一人が喋っていた中盤と続くにつれ,「ああ,今回も今までと同じで,あまり面白くないのかなあ」と飽き始めていたのだけど,ずっと興味あるのかないのか分からないような感じて高橋源一郎の話をほとんど頷きもせずに聞いていた東浩紀が,高橋源一郎の粘り強い語りかけよって,わずかに頷いたり,ぽつりぽつりと喋り出すようになり,徐々に相手の伝えんとする熱意に巻き込まれ,ついには大きな声といつもの早口でまくしたてるような調子にまでなったのだった。
わたしは,納得できないことには安易に頷かない(それは無関心と紙一重の,対談としては危険な態度であろう)というシンプルだが簡単ではない姿勢を貫いていた東浩紀が,高橋源一郎の「ぼくのはなしていることはめのまえにいるあなたにかならずつたわるはずだ」という素朴といってもよい語りかけをゆっくりと理解し出し,触発され,新たにその場で生まれた考えをだんだん勢いに乗って今度は相手に返したのだ,と,ステージ上での一連の過程を理解した。
要するに,わたしは理想的な「対談」を経験したのだ,ということを書きたかったわけです。
以前いくつかの対談がつまらなかったとこのブログに書いたことがあったが,二人ともおちゃらけつつ軽いノリで入った前半,ほとんど高橋源一郎一人が喋っていた中盤と続くにつれ,「ああ,今回も今までと同じで,あまり面白くないのかなあ」と飽き始めていたのだけど,ずっと興味あるのかないのか分からないような感じて高橋源一郎の話をほとんど頷きもせずに聞いていた東浩紀が,高橋源一郎の粘り強い語りかけよって,わずかに頷いたり,ぽつりぽつりと喋り出すようになり,徐々に相手の伝えんとする熱意に巻き込まれ,ついには大きな声といつもの早口でまくしたてるような調子にまでなったのだった。
わたしは,納得できないことには安易に頷かない(それは無関心と紙一重の,対談としては危険な態度であろう)というシンプルだが簡単ではない姿勢を貫いていた東浩紀が,高橋源一郎の「ぼくのはなしていることはめのまえにいるあなたにかならずつたわるはずだ」という素朴といってもよい語りかけをゆっくりと理解し出し,触発され,新たにその場で生まれた考えをだんだん勢いに乗って今度は相手に返したのだ,と,ステージ上での一連の過程を理解した。
要するに,わたしは理想的な「対談」を経験したのだ,ということを書きたかったわけです。