あ、1本いいっすか?

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2011/01/08

人生の真実

投稿者 福田快活   1/08/2011 0 コメント
村西とおる、って聞いて思うのはなんだろう?ブログの人?AVの帝王?裏本の帝王?帝王つづきだなあ、まあ最近はやっぱりブログだろう。あの漆黒のブラックホールみたいな得体のしれない語り口。やっぱりブログだろう。

28歳おれ、は名前は知ってるけど村西監督のAVをみた記憶はないし、盂蘭盆はましてや……てな状況。見たいんだけどVHSしかないんだよね。たしか。ビデオデッキとかないしなー。。。実家でみる。。。?きつくねー?てな煩悶して、結局あきらめてる。やっぱりみたいのは村西監督と主演の黒木香を一躍時の人にした『SMっぽいの好き』だろう。この作はパッケージ、タイトルロール、宣材で題名がちがって、ていうAV業界のステキなてきとーさというか、むしろ月に3本撮れば多作監督の世界で、10本近く撮ってた村西監督の人間じゃないエネルギーが窺える。

『SMっぽいの好き』が有名なのは何ていっても、お祭りで売られる貝の形した笛でしょ。

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「あなたとわたしとこれからファックをします。でもすぐにあなたのあそこにわたしの大きな物を入れるわけではありません。前戯があります。あるいは中戯があるかもしれません。そしてご期待の本番ファック!……あなたにはその笛を吹いていただきたいんです。たとえば、……まあまあ感じてきたなというときには一回」
黒木香はプーと一回笛を吹いてみた。
「もっと感じてきたときには二回」
プープー。
「たまらないときには三回」
プープープー。
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この設定を聞いただけで、俄然見たくなる!てなもんだ(>_<)可笑しすぎる。悲哀と笑いに身悶えするのが確約されてる。

イタリア語の原書を読み、「村上龍との対談では『ドリアン・グレイの肖像』の中の一節を引用して芸術と実生活の対比を発言」する当時女子大生の黒木香は村上龍以外にはねじめ正一、荒木経惟、中上健次、中沢新一といった文化人と対談しする。対談を構成する本橋信宏に「目の前のAV女優に接した彼らは、対等に渡り合える女性の出現に素直に喜んでいた」と印象抱かせる、才媛。言葉づかいは異常に丁寧で、言葉自体が考えられ、選ばれ、練られていて、対談原稿を起こすときに、「彼女の発言はそのまま一字一句変えなくても通用する文章になっていた」。つまりは書き言葉で考え、会話する人間だ。

村西はそんなインテリ黒木をスパンキングする。頬を張る。黒木はもっと強くと要求する。逆さ吊りにする。笛がプープー鳴る。村西はバスローブの紐で黒木の首をしめる。蹴る。完全にイッてる黒木はカメラに向かって自分で陰部を開く。

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女子大生は膣に自分の指を一本づつ埋めていく。
「三本入ったの」
狂気をひめた笑みを浮かべながら黒木香が言った。
「すけべだな。もう一本入れてごらん」
「あー、入った」
「入った?何本指が入ってる?」
「四本」
「四本も入れたー!?しょうがないなあ。抜きなさい。体に毒だ。四本も入れたところにわたしの物を入れるなんて、わたしに失礼でしょう。……せめて三本にしなさい!」
「いやあ」
「・・・・・・……」
「わがままなんだね。じゃあ、わたしの物を入れてあげないよ」
「いや」
「じゃあ、三本にしなさい」
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このアホらしさ、2人で大気圏外に脱出した村西と黒木のやりとりもステキすぎるけど、やっぱ白眉はここ。アナルセックスのシーン

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「アナル、一度したかったんでしょ。よかったねえ。できてね。ビデオに撮ってもらえてよかったねえ。こんなことしてもらいたい人はみんなビデオにでたほうがいいよね。たとえばこんなふうにアナルセックスもできるんだからねえ」
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、だめよだめよだめよだめよもうだめよ!」
(中略)
女はくの字に体を曲げられて上からペニスを入れられる。歯を食いしばりながら黒木香が歓喜の波にさらわれないように必死に耐えている。凄い形相だ。
「いいわ!いいわ!見える!すごい!うごごっ!よいしょっ!」
耳を疑った。
今、彼女は「よいしょっ」と言ったはずだ。
いったい何なんだ?
よいしょとは何なんだ?
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こういうのを人生の真実という。本橋信宏『AV時代ー村西とおるとその時代』。素晴らしいドキュメントです。よいしょっ♪♪♪
 

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