燃える火を見ている。
とろとろと、おれんじ色の火がゆらめいている。土産物屋の小さなガラス人形のようになめらかで、透き通っていて。火を絶やさないように、紙くずをくべながら、ただただ、それを眺めている。
はじまりは一枚のメモ。頭の中のもやもやに、かたちをつけることができず、ふと、火をつけてみる。じわじわと、はしからのみこまれていき、やがて、黒一色に消える。
憑かれたように、火をそだてる。小さな炉の中から、手を伸ばすようにして、そだつ。
やがて火は小さくなり、白い煙が部屋に広がり、満ちる。満ちる。解放されるような、包まれるような安心感は、ただ煙を吸いぼんやりとしただけか。
このまま、とろとろ、眠りに、おちたい。
けれども隅の理性がそれを許さずに、きちんと火の始末やら換気をさせる。寝巻きに着替え、ベッドによじ登り、
とろとろと、おれんじ色の火がゆらめいている。土産物屋の小さなガラス人形のようになめらかで、透き通っていて。火を絶やさないように、紙くずをくべながら、ただただ、それを眺めている。
はじまりは一枚のメモ。頭の中のもやもやに、かたちをつけることができず、ふと、火をつけてみる。じわじわと、はしからのみこまれていき、やがて、黒一色に消える。
憑かれたように、火をそだてる。小さな炉の中から、手を伸ばすようにして、そだつ。
やがて火は小さくなり、白い煙が部屋に広がり、満ちる。満ちる。解放されるような、包まれるような安心感は、ただ煙を吸いぼんやりとしただけか。
このまま、とろとろ、眠りに、おちたい。
けれども隅の理性がそれを許さずに、きちんと火の始末やら換気をさせる。寝巻きに着替え、ベッドによじ登り、