あ、1本いいっすか?

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2010/08/27

エンドオブザデイ

投稿者 じん   8/27/2010 0 コメント
終りにしたくない日がある。
特別楽しかったわけでもないのに、終わらせるのがもったいないような夜がある。

家に帰るなんてもったいない。
どこでもない場所の景色にとけこんで、ひんやりした空気を感じていたい。
気が付くと終点まで来ていた。

「少し町をふらふらしよう。」

そんな風にして15分ほど歩いて、たどり着いたのは結局駅の出口の横。
大きなビルの、植え込みを囲むブロック。そこがぴったりに思えた。

人影はまばら。

音楽を聴くでもない、本を読むでもない。ただぼぉっと座っている。

周りには同じように行き先を見失ったように動かない人がいる。
男が一人。女が一人。
仲間に出会ったようで、妙に嬉しい。

「なんだかおかしな夜だよ。分かるんだろ、お前も。」

しばらくすると男と女が楽しげに話し始めた。
顔見知りだったのだろうか。それとも通じ合う何かがあったのだろうか。

裏切り者、と心のなかで呟く。
 

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