車掌の仕事
「進行方向右手に、花火をご覧いただけるかと思います」
電車が中河原をすぎた頃、突然、車掌はそんなアナウンスをした。瞬間、2人組のいかついお兄さんが、子供のようにはしゃいで、座席の上に膝立ちで、すげーっ、特等席だ!っと叫ぶ。眠りこけていたおじさんが、何事かと後ろの窓を振り返る。
タイミングを見計らっていたかのような大玉の花火に、僕もしばしみとれる。
新宿のホームへ降りるときに、平日の夜に花火で遅延とは迷惑な、と悪態をついていたのだが、車掌の粋な計らいと、車内の光景に、目を細めた。
「進行方向右手に、花火をご覧いただけるかと思います」
電車が中河原をすぎた頃、突然、車掌はそんなアナウンスをした。瞬間、2人組のいかついお兄さんが、子供のようにはしゃいで、座席の上に膝立ちで、すげーっ、特等席だ!っと叫ぶ。眠りこけていたおじさんが、何事かと後ろの窓を振り返る。
タイミングを見計らっていたかのような大玉の花火に、僕もしばしみとれる。
新宿のホームへ降りるときに、平日の夜に花火で遅延とは迷惑な、と悪態をついていたのだが、車掌の粋な計らいと、車内の光景に、目を細めた。