終りにしたくない日がある。
特別楽しかったわけでもないのに、終わらせるのがもったいないような夜がある。
家に帰るなんてもったいない。
どこでもない場所の景色にとけこんで、ひんやりした空気を感じていたい。
気が付くと終点まで来ていた。
「少し町をふらふらしよう。」
そんな風にして15分ほど歩いて、たどり着いたのは結局駅の出口の横。
大きなビルの、植え込みを囲むブロック。そこがぴったりに思えた。
人影はまばら。
音楽を聴くでもない、本を読むでもない。ただぼぉっと座っている。
周りには同じように行き先を見失ったように動かない人がいる。
男が一人。女が一人。
仲間に出会ったようで、妙に嬉しい。
「なんだかおかしな夜だよ。分かるんだろ、お前も。」
しばらくすると男と女が楽しげに話し始めた。
顔見知りだったのだろうか。それとも通じ合う何かがあったのだろうか。
裏切り者、と心のなかで呟く。
特別楽しかったわけでもないのに、終わらせるのがもったいないような夜がある。
家に帰るなんてもったいない。
どこでもない場所の景色にとけこんで、ひんやりした空気を感じていたい。
気が付くと終点まで来ていた。
「少し町をふらふらしよう。」
そんな風にして15分ほど歩いて、たどり着いたのは結局駅の出口の横。
大きなビルの、植え込みを囲むブロック。そこがぴったりに思えた。
人影はまばら。
音楽を聴くでもない、本を読むでもない。ただぼぉっと座っている。
周りには同じように行き先を見失ったように動かない人がいる。
男が一人。女が一人。
仲間に出会ったようで、妙に嬉しい。
「なんだかおかしな夜だよ。分かるんだろ、お前も。」
しばらくすると男と女が楽しげに話し始めた。
顔見知りだったのだろうか。それとも通じ合う何かがあったのだろうか。
裏切り者、と心のなかで呟く。