2009/12/11

銀座カンカン通り

投稿者 福田快活   12/11/2009
銀座におばあさんがたってる。

プラモデルのよう。つきだした上半身を、その重みを杖にかけて、見つめれば、
先にあるビル群のさらに先を透視できるとでも思ってるの?ジーッとみてる。

どっからどう見ても徘徊老人、徘徊はもうやめてるか、静止老人。

三越、松屋、シャネル、ブルガリ、カルティエ、銀座の中央通りから少しなか
に入った昔ながらの店が、老舗だろう、ン十年間ずっと動かずに客を呑んでは
吐いてきた強靱な一角。

お昼に満足した倦怠感に、成熟の静けさある街の雰囲気がとけ込んできて、
ギョッとしたのも束の間、ケンタッキー人形みたいなおばあさん人形があった
ら随分ステキぢゃないか。ゆるやかに流れるこのあたりの、時がさらにとまっ
たようで。でも人形ぢゃあ「止まった感」はないナ生身であるからこその、
てそんなカッテな妄想はいいんだ。おばあさん家帰ろうよ。子供さん、心配
してるよ?してないの?

角を曲がるまえにふり返っても、おばあさんはそのままだった。指ひとつ
動いてなかった。

気になって足がむいた翌日は、アスファルトで舗装された通りと変わらない
暖簾とちらほら通りすぎるリーマンに太陽がそそいでた。

暑い日はおばあさんも家で休んでんのかな?おばあさんは二度と見なかった。
いつも気配はするんだが。

2 コメント on "銀座カンカン通り"

まんなかのひと さんのコメント...

座敷童子とか、木霊とか、リトル・ピープルとか、小さいおじさんとか…
もしかしたらそういうものだったんじゃなかろうか。

矢口 さんのコメント...

じゃあきっと快活さんは幸せになれますね。
いつも気配がするからって、おはらいとかしちゃだめですよ!

コメントを投稿

 

もらいたばこ─┛~~ Copyright 2009 Reflection Designed by Ipiet Templates Image by Tadpole's Notez